← Journal 一覧 2026年8月13日
Thunlee サンリー合同会社
Journal ・ ウェブ開発

宿泊施設のサイト診断でよく見つかる
「もったいない設定」5つ

先日、ある宿泊施設の公式サイトを、技術面から診断する機会がありました。ページの説明文は丁寧、写真の管理もきちんとしている。日々の運用は明らかに真面目なのに、検索エンジン向けの「土台の設定」に手が回っておらず、集客のポテンシャルを取りこぼしている——そんな状態でした。

これは特殊な例ではありません。制作会社に作ってもらったサイトを数年運用している事業者の多くで、同じパターンが起きています。今回見つかった5つは、いずれも典型例です。ご自身のサイトに当てはまるものがないか、チェックリストとしてお使いください。

1.同じサイトが2つのアドレスで公開されている

サイトのリニューアルやドメイン変更を経たサイトでよくあるのが、新旧2つのドメインの両方で同じサイトが表示できてしまう状態です。人間には同じサイトに見えますが、Googleからは「よく似た別サイトが2つある」ように見え、検索での評価が2つに割れることがあります。本来1位を狙える力があっても、半分ずつに分散するイメージです。

現状 旧ドメイン 新ドメイン 同じ内容が両方で表示される Google 別々のサイトとして評価され 評価が2つに分かれる 本来1つ分の力が半分ずつに 301リダイレクト後 旧ドメイン 301で転送 新ドメイン Google 1つのサイトとして評価され 評価が集約される 1つ分の力がそのまま乗る
新旧2つのドメインが両方生きていると、Googleからは「よく似た別サイト」に見え、評価が分かれることがあります。どちらかを「正」と決め、もう一方から301リダイレクト(恒久転送)で寄せると、評価が1つにまとまります。

対策は、どちらかを「正」と決めて、もう一方へのアクセスを自動転送すること(301リダイレクトと呼ばれる恒久転送の設定)。作業は小さいのですが、放置されがちです。自社サイトの旧ドメインが今どうなっているか、一度アクセスして確かめてみてください。

2.「構造化データ」が入っていない

構造化データとは、「これは宿泊施設で、住所はここ、ペット同伴可、チェックインは15時」といった情報を、Googleが確実に読み取れる形式でページに埋め込む仕組みです。宿泊業はこの仕組みの恩恵が特に大きい業種ですが、数年前に作られたサイトでは未導入のことが多い。

導入すると、Googleがページの内容を正確に理解できるようになり、施設名で検索された際の情報表示の充実が期待できます。よくある質問ページが既にあるサイトなら、その内容を変換するだけなので、実装は半日程度で済みます。

余談ですが、「FAQを構造化データにすると検索結果に質問が展開表示される」という古い解説記事がいまも多く出回っています。この表示は2023年8月以降、Googleが対象を政府・医療系サイトに絞ったため、一般の宿泊施設では現在期待できません。効果を確かめずに古い情報のまま提案してくる業者には注意が必要です。

3.サイトマップが何年も前のまま止まっている

サイトマップは「このサイトにはこれらのページがあります」とGoogleに知らせる一覧ファイルです。制作時に無料ツールで一度だけ生成し、その後の更新で放置されているケースが目立ちます。今回の診断でも、数年前に生成されたきりで、中身のURLが現在の公開ドメインと食い違っているものが見つかりました。

これでは新しいプランページやお知らせがGoogleに届きません。ページを追加したらサイトマップも更新される仕組みにしておくのが理想です。

4.スマートフォン表示の設定値が壊れている

ページの拡大縮小を制御する viewport という設定に、規格外の値(例: initial-scale=0.0)が入っているサイトがあります。表示は一見正常でも、ブラウザやGoogleのモバイル評価で不利に働く可能性があります。ソースコードを1行直すだけで済む、費用対効果の高い修正です。

5.ページを動かす部品が古い・重複している

数年前のサイトでは、jQueryなどのライブラリが当時の版のまま使われていることが少なくありません。古い版には既に知られたセキュリティ上の弱点が残っていることがあり、更新が推奨されます。また、写真スライダーのライブラリが2種類読み込まれているなど、表示速度に不利な構成もよく見つかります。表示速度は検索順位にも予約率にも効くため、まずは PageSpeed Insights(Googleの無料計測ツール)で現状を測るところから始めるのがおすすめです。

自分のサイトで確かめる方法

5つとも、専門的なツールがなくても確認できます。ブラウザさえあれば、ほとんどは数分で済みます。

確認することやり方当てはまったら
1旧ドメイン 昔使っていたURLをブラウザに入力する。新しいURLに切り替わらず、そのまま表示されたら二重公開の状態 どちらを「正」にするか決めて301リダイレクトを設定
2構造化データ Googleの「リッチリザルトテスト」に自社URLを入力する。何も検出されなければ未導入 施設情報とよくある質問から実装(半日程度)
3サイトマップ 自社URLの末尾に /sitemap.xml を付けて開く。中のURLと日付が今の状態と合っているか見る 作り直し。以後はページ追加時に自動更新される仕組みに
4viewport ページ上で右クリック →「ページのソースを表示」→ viewport で検索し、値を確認 initial-scale=1 に修正(1行)
5表示速度と部品 PageSpeed Insights に自社URLを入力する。同じ用途のライブラリが複数読み込まれていないかも見る 不要な読み込みの整理と、古い版の更新
1と3は、ご自身で今すぐ確認できます。2と5は無料のツールに URL を入れるだけです。ここで問題が見つかっても慌てる必要はありません。いずれも作り直しではなく、部分的な修正で済む種類のものです。

まとめ — 「運用が丁寧」と「土台が整っている」は別物

5つに共通するのは、日々の更新作業では絶対に気づけないという点です。写真を差し替え、プランを書き換え、お知らせを出す——その丁寧な運用と、検索エンジンに正しく評価される土台づくりは、別のスキルセットです。数年に一度、技術面の健康診断を受けることをおすすめします。

サンリー合同会社は、自らも宿泊施設・太陽光発電所を保有する事業者の立場から、
中小事業者のウェブサイト制作・診断を行っています。

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